こんにちは。ちょっと忙しくて間が空いてしまいましたが、相変わらず英語学習とお仕事は続けております。ちなみにアップルTVで大人気の”SILO”シリーズの原作を読み始めてしまい数日寝不足に陥り、「忙しい」にはそれも含まれております。
ということで、今回はお仕事で感じたAI翻訳の凄さと限界について。
もくじ
「AI翻訳を手直しするだけの簡単なお仕事です」?!
CrowdWorksやLancersなんかのアウトソーシングプラットフォームで最近よく見るワーカー募集のキャッチフレーズなんですが、正直この言い方に殺意を覚えるまじめな翻訳者、翻訳者志望者は多いと思います(笑)
えてしてそういうお仕事は低単価なので、ぶっちゃけ割に合いませんし、自分が求めてる仕事のクオリティに対しての理解度が低い(もしくは安かろう悪かろうでいい)クライアントさんなのかなってことで、手を出しません。簡単に「おかしなとこだけチェックして!」なんて言われても、チェックしだしたらちゃんと文脈理解したりリサーチしなきゃいけなくなるので、そんな単価でやってられないです。
ただ、翻訳を(独学であっても)ちゃんと勉強したことなんかなくても英語はちょっとわかるからできるよね!って参入してるワーカーさんも凄く多いので、そんなお仕事でもばんばん契約は成立してます。凄い、皆さん、もしかしてポイ活レベルで稼げればいい感じなの…?
[nlink url=”https://otonaeiken.com/2022/11/ai_manager/https://otonaeiken.com/2023/10/aitrans/”]AI翻訳の進歩と限界
ということで、私も単価や仕事の内容は可能な限り吟味しつつ、お仕事はいただくわけですが、最近日本語→英語、英語→日本語ともにAI翻訳ベースのチェック&修正をやってますので、その中で気が付いたことを書いてみたいと思います。
AIは「主語が省略されがち」な日本語からの英語翻訳は苦手
日本語っていちいち「私が」「彼が」「あなたが」って言わない文章って多いですよね。「今朝寝過ごしたんだよね」って、どこにも主語は入ってませんが、「私が」寝過ごしたことは明らかです。これが話し言葉では特に多いので、そのままAI翻訳に書けると「誰が」どうしたの部分が入れ替わって変なことになっていたりします。
これは英語→日本語からの場合は心配なくて、むしろAI翻訳も自然な日本語になるよう主語や指示語はうまく省略してくるので、ここは凄いなーと思います。
文脈に応じた単語のチョイスはAIも善戦、しかし!
翻訳された文章の自然さ、文脈に応じた日本語の単語のチョイスなどはAI翻訳上手だな~って思うこともしばしば。会話文なんか特に自然に返してきます。ただ専門的だったりあまり一般的でない文脈なんかは、選ぶ日本語のチョイスによってわかりやすさとか意味合いがうんと変わってくるので、このへんは翻訳者の力量によってきます。
でも、なんとなく意味が通じればオッケー!みたいな依頼者だったら、AI翻訳のままで「日本語として自然な」文章は出してくるので、「AI翻訳を修正するだけの簡単なお仕事です」になってくるんでしょうね。
自動化の流れは変えられない中で
AI翻訳の普及は翻訳者にとって危機?
私は翻訳のお仕事では新参者、かつ翻訳専業ではないので、AI翻訳の台頭で生計を脅かされるほどの立場ではないのですが、これが本業だったら危機を覚えるのかな?とたまに思うことはあります。ただ、仕事ベースで見たときに、今まで翻訳会社に仕事を頼んでいた仕事を完全AI翻訳で済ます、みたいなことにはまだなっていないと思います。AI翻訳はそこまでのクオリティが担保できないから。
でも一から翻訳者に翻訳を依頼していたのを、AI翻訳+ポストエディット(AI翻訳の翻訳文を人間が編集、手直しすること)で単価を下げる、みたいなことは既にばんばん起こっていると思います。
新たな翻訳ニーズの登場
また、これまで翻訳なんて手間だし余裕もないので考えていなかったスモールビジネスや個人事業主の人たちが(YouTuberなんかも含めて)、AI翻訳のおかげで自分たちのコンテンツをどんどん翻訳して多言語で出す、ということは爆発的に広がっていて、今アウトソーシングされているのは圧倒的にこっちの層だと思います。
ただこういう層のお仕事は、これまでの翻訳者の人たちは(低単価過ぎるので)まず参入されないと思いますし、従来の翻訳会社に依頼されることもまずないと思うので、そこは棲み分けがされるんじゃないかな、と思います。
そして、この流れ自体が止められるわけではないでしょう。的はずれな例えかもしれませんが、産業革命時に機械の導入に反対した労働者たちが工業化を止められなかった流れを彷彿としてしまいます。
AI翻訳をどう活用していくのか
AI翻訳をどう見るかは立ち位置によってそれぞれだと思うのですが、翻訳や言語の敷居が低くなっているということ自体は、人類全体にとってはプラスの変化だと思います。既得権益を脅かされる人たちには脅威なのは、なんであれ同じ。だからといって英語学習が不要になるかといえば、英語学習が好きでやってる人間からしたら全くの見当違いな議論ですし。
インターネットやSNSの普及で繋がりやすくなった一方、社会の分断も進む現代で、AI翻訳が文化や言語を超えて人々のお互いの理解が進む方向に役立ってくれればいいな、と思います。