最近ブログにお越しいただく方が増え、どんなキーワードで来られてるのかな…とみているうち、「AI翻訳」「副業」(別記事で書いてるので)が増えているのに気づき、ネットちょっと調べてみるとなんと「AI翻訳で簡単に稼げる副業講座」的なものがあるということを知りました。情報を見てみると…
ひぇぇえ?!
何が「ひぇぇえ?」なのか、似たキーワードで記事を書いているものとして安易な誤解は招かないようにせねば!ということでまとめてみましたので、以下ぜひお目通しください。
もくじ
「英語力がなくてもAI翻訳を手直しするだけの簡単なお仕事」なんて、ありえない理由
「高度な英語力と日本語力」ナシにできる作業ではない
最近のAI翻訳は非常に高度です。昔であれば「ちょっとぎこちない」表現などもあったのかもしれませんが、今はもう非常に自然な日本語で返してきます。それが間違っていると見分けられるのは原文の英文を読み込める英語力、もしくは文脈や事実関係を確認する校閲力が不可欠で、既に一見自然な日本語を原文に沿ったわかりやすい日本語に手直しするには高度な日本語力が不可欠です。これに英語力が要らないだなんて?!「AI絵師」なんかのクリエイター仕事とは違い、翻訳には原文という正解がありますから、わかる人が見ればおかしいのはわかります。
つまり、「英語力のない人間によるAI翻訳のチェック」なんて、それ既に人間要らないやつです…。
AI翻訳の手直しは「簡単には」はできる作業できない
上記とも重複しますが、AI翻訳の文章の手直しは、そういう言語能力があったからって簡単にできるわけはありません。同じ英語でも文脈に依って意味が異なってくるのは当たり前。それを「この文脈ではこの訳でいいのか」「この指示語が指すのは何か」諸々確認したり調査したり、そういう手間が実際にはかかってきます。ギリギリまで言葉を突き詰める作業が好きでないとやってられない緻密さも求められます。
そこをガン無視して「てにをはだけ直して」って言ってきちゃうクライアントさんは、それなりの仕事しか期待していない(もしくは依頼しておきながら仕事の内容を理解していない)わけで、当然低単価です。だって簡単だと思ってる仕事に誰も高いお金出しませんよね?
この辺りは以下に詳しく書いていますのでぜひ合わせてお読みください。
「AI翻訳を手直しするだけの簡単なお仕事」の本当は怖い落とし穴ー実体験編
注意喚起「AI翻訳で英語力がなくても稼げる!」という講座に関して確認すべきこと
ということで、以下は一般的注意事項です。
近年、AI技術の進化により、簡単に言葉を翻訳できるようになりました。この技術を活用した情報商材が増えていますが、その中には注意が必要なものもあります。特に、「AI翻訳で簡単な副業ができる」と謳った商材には、潜在的なリスクが潜んでいる可能性があります。
ChatGPTにAI翻訳の副業について聞いてみた結果
「個人の感想です」だらけな広告に信憑性はあるのか
この記事の初版を書いた後、私もついに実際に噂の広告に出くわしてしまいました。ダイエット食品ばりに「個人の感想です」みたいなテロップが常時出てましたね。商材を提供している企業や個人の信頼性も確認が必要です。他にもかなり注意喚起の情報が出回っていますので、きちんと情報収集されることを強くお勧めします。
翻訳家への道はそこそこメンタル削られる覚悟は必要
ちなみに、AI翻訳の副業に関心を持った方たちの中には、単にAIアツいみたいだから今ならおいしく稼げるんじゃないか、と思っちゃっただけの人とは違い、もともと翻訳家自体に憧れがあって、という方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、もうなおさら副業講座なんかにぶっこむ前に、きちんとした講座で勉強しましょう。
翻訳の勉強は、「英語が好き」だけとはまた別の、緻密さであったり根気であったりいろんなものが絡んできます。私自身も英検1級に合格してからまずは老舗の翻訳学校の講座を受講し、トライアルで思う結果が出せず凹み…というのを繰り返して今に至ります。そして、それでもやりたい人の多い世界です。
安易に稼ごうとする前に、稼げる英語力を
気持ちはわかります。私も通った道です。でも焦ることはありません。私なんか英検1級受かったのがアラフィフですけど、なんとかなってます(笑)。信憑性のない講座の謳い文句に乗って大金貢ぐくらいなら、スマートスピーカー買ってポッドキャスト聞きまくってKindle買って洋書読みまくって、きちんと英語力あげてからいきましょう。焦ることはありません。回り道に見えてもその方が確実で、自分の力になりますよ。
足掛け30年?!英検準1級から1級までの長い長い遠い道のりについて
英語力アップの奇跡?ー待ってても起きないけど自分から歩いていけば確実に辿り着きます