英検1級の面接、コワいですよね。筆者も受験直前まで敵前逃亡しようかと何度思ったことかしれません。今でこそオンラインで対策してくれる個人コーチも増えたかもしれませんが、筆者の受験する頃は対策講座を開講しているところの受講料はおっそろしく高く、仕事で使うわけでもない(当時)英語にそこまでぶっこむのはできない…と独学で試行錯誤していたため、正直不安で仕方がありませんでした。
でも。
むしろ合格後に気が付いたことでもあるのですが、英検1級の面接のベースにはある「お作法」が存在するのです。それを知っていればあんなにビビり散らかさずに済んだのに…ということを、今回はまとめておきたいと思います。
もくじ
英検の面接の形式のベースにあるのは「意見の違いを認め合える対話力」を問う「ディベート」
これは受験前に誰も教えてくれなかったけれど受験する人が必ず押さえておくべきポイントだと思うのですが、英検の面接は「ディベート」の形式がベースになっています。
「ディベート」なんていうと、普通「論破!」とかやられちゃうああいう論戦をイメージするかもしれませんが、全く違います。全然違うやつです。(大事なことなので2度言いました。)
そもそもディベートとは
「ある特定のテーマの是非について、2グループの話し手が、賛成・反対の立場に別れて、第三者を説得する形で議論を行うこと」
https://nade.jp/learning/beginners/introduction/
この「ディベート」では、「お互いに意見が違っても構わない We agree to disagree.」=違いを認め合ったうえで議論を重ねることで問題への理解や解決策を深めていきましょう、という考え方が根底にあります。そして、それぞれの立場から客観的に説得力ある主張を展開しますが、ちゃんと、最初の主張のターン、反論のターン、と、攻守の方も決まっている、いわば2者(グループ)で行う競技みたいなものです。ちゃんとしたお作法があるのですね。
具体的なお作法の実例を見てみたい方はこちらの記事も参考にどうぞ(高校や大学でされてる競技タイプのものよりはちょっとラフなようです)。
英検1級リスニング、ライティング、二次面接対策に一石三鳥のポッドキャスト
なので、ここでは「お前の意見は間違ってる!」「はい論破!」なんてことは間違っても言われないし、言ってくるやつがお作法をわかってないやつで、即アウトなのです。詳しくは以下の記事でご紹介しています。
日本人のディスカッション下手と英検1級二次試験(面接)対策について
答えに「正解」はありません。
面接なんていうと、「英語の素晴らしさ、意見の説得力」を問われてるみたいでビビってしまうものだと思うのですが、この際『素晴らしい意見を言わなくちゃ』なんてことは考えなくてよしです。だって「すばらしい意見」なんて『正解』は(ディベートの世界では)存在しないからです。ただし、「自分の意見に自信をもって(持ってなくても持ってる風で)」発言する必要があるのです。これも、ディベートの鉄則だからです。ということで、このあたりの点は次の記事で書いています。
日本人が苦手な自分と違う意見への対し方(と英検1級二次試験対策)について
「自分の意見に対する自信」と「違う視点への敬意」を持とう
この点を抑えていれば、面接官からの質問も、恐れることはなくなるわけです。自分の主張と違う視点からの問いかけであっても、決して「お前の意見は間違っている!」という批判ではなく、ディベートの「お作法」に則った会話のキャッチボール、いわばこちらの意見を展開する方向性を示してくれるバレーボールの「トス」みたいなものなわけです。なので恐れず、落ち着いて自分の頭で考えて、シンプルでも良いので持論を返せるようにしておきましょう。
そのためには、巷で流布している「スピーチの原稿丸覚え」みたいな戦略よりは、普段からいろんなことに対する意見を持って、それを英語で口にする練習が必要ですね。これは、オンライン英会話でも友達との会話でも、ちょっと意識することで可能になってくると思います。最近であればAI英会話アプリなんかも凄く使えると思います!→英検1級対策に革命?!英会話アプリスピーク(Speak)で英検面接(二次試験)練習!-AIと英語学習
面接には、対戦チームも審判もいません。面接官は「コーチ」だと思おう
そして最後にだいじな点。上記でご紹介した「ディベート」、特に競技ディベートでは、ジャッジがいて両者の勝敗を決するわけですが、面接においてはあくまでディベートの基本原則や「型」を一部借用しているだけ。面接官は対戦チーム役でもジャッジ役でもありません。役回り的に、「ディベートの基本パターンを練習させてくれているコーチ」、みたいな感じですかね。
言ってみれば
面接官「まずはひととおり自分の意見を言ってみて。その後2,3質問して深堀りするから、それに返してみてよ。いや内容の正否のジャッジとか論破とかしないから」
みたいな。こう書いてあるとすごくいい人に思えてくるからあら不思議(笑)。
英検の面接対策を始めるにあたって、まずは上記の点をしっかり意識に叩き込みましょう。不必要な緊張はしなくて済むと思います。
ということで、この記事で、私が英検二次対策を意識しだしたときに感じた「どうしていいんだかわからない」感を感じる人がちょっとでも減ると良いなと思います。
それでは今日も、Happy Learning!
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