もくじ
I’m proud of you! は本当に「私はあなたのことを誇りに思う」なのか?
以前、ネイティブのLanguage Exchangeの友人と話をしていて、「仕事で最近昇進して…」という話の時に”I’m proud of you!”と言われて、一瞬きょとんとした記憶があります。
ここで違和感を感じたのが私だけなのか、日本人メンタリティなのかわからないのですが「私は君を誇りに思う」っていうのは、恩師だとか、できた子を持つ親だとか、部下を育て上げた部長だとか、「その人の成功に貢献した誰か」だけが言えるもの、というイメージを持っていました。「面倒見てやった」事実が必要というか。
また、知り合いが息子さんのホームステイ先のホストペアレントに「”You should be proud of him!”とか言われたんだよね。言えないよねそんなの。」と(今思えば若干嬉しそうに)ボヤいていたのを聞いたことがあります。確かに「愚息」なんて言葉があるように身内は卑下するのが美徳とされる日本人メンタリティからはハードルが高いのはわかります。ただ、これは「素晴らしい息子さんですね!」くらいのニュアンスでしょうけど。
実際、ネイティブの考える I’m proud of ~!の適用範囲は?
ということで、以前も居酒屋トークで登場いただいたLanguage Exchange パートナーのF氏に聞いてみました。
「友達でも自分の子どもでも、 I’m proud of you! はもちろん言うよ。凄く自然なこと。その日あったばかりの相手に対しては言わないかな。何らかのconnectionがある相手なら立場関係なく言うね。あと学校代表のチームとかオリンピック選手とかが活躍したらI’m proud of them!も言うね、これは直接の知り合いじゃないけど。」
なるほど。だんだん聞いてると至極自然なことに思えてきて、自分がproud ofの何にひっかかっていたのかよくわからなくなってきたので(笑)、ここでようやく真面目に辞書を引いてみます。
PROUD/ adjective
https://languages.oup.com/google-dictionary-en/
1. feeling deep pleasure or satisfaction as a result of one’s own achievements, qualities, or possessions or those of someone with whom one is closely associated.
2. having or showing a high or excessively high opinion of oneself or one’s importance.
“he was a proud, arrogant man”
適用範囲がちゃんと書いてありましたね。F氏曰くconnection、with whom one is closely associatedなんですね、なるほど。
また、表している感情も、deep pleasure or satisfactionなので、proud of you! も「誇り」というほどかしこまったニュアンスでなく「あなたの成功について、私も凄く嬉しいよ!」「すごいじゃない!」ってくらいのほうが近いのかもしれません。
オマケ ほんとにproud of じゃない場合の親の反応
ちなみに、日本人による「愚息が…」っていう謙遜の文化についてもF氏に説明してみたのですが、literally translated as “my stupid son” って言った時点でかなりびっくりされていました。
その後のやりとり。
「本当にstupidなんて思ってなくても言うんだよ」
「じゃあ、本当に問題児の場合はなんていうの?」
「…たぶん、隠すかな。『息子さん元気?』『ええ、まあ』みたいな。アメリカでは?」
「ああ…そうだね、同じかも。『How’s your son doing?』『He’s fine.』とか。」
…そこは万国共通の親心なんでしょうか。なんか切ない。
まとめ
とうことで、「誇りに思う」なんて訳をあててしまうと偉そうかしら、なんて怖気づいてしまっていた be proud of ~ですが、「一緒に喜んであげる」ニュアンスで臆せず使ってみよう、と思いました。