年末年始のお休みに、読みたかった洋書を読むぞ!という人もいらっしゃるのでは?私も今読みかけの本を読み切ってしまおうと、少しずつ読んでます。
さて、以前のエントリーで、多読三原則についてご紹介しましたが、今回は多読の具体的な本の選び方についてご紹介したいと思います。いきなり洋書に行くのが厳しい、ちょっと慣らしたい、という方には参考にしていただけると思います。
もくじ
多読入門者に参考になるサイト
NPO多言語多読 英語多読特設サイト
多読に関する講座等を開催されているNPOのサイトです。多読三原則の紹介のほか、資料ページなども大変充実しています。
多読王国(運営終了)
筆者も大変お世話になったのですが、残念ながら現在では運営を終了されている「多読王国」。他の読者がどんな本を読んでいるかが紹介されていて、人気の作家についてはアーカイブとして保存されています。
Graded Readersって何?
Graded Readersというのは英語学習者向けの本のこと。グレードによって語彙や構文が学習者のレベルごとに読みやすいよう配慮され、構成されている書籍のことです。
Graded readersはいろいろな出版社が出していますが、Amazonで見られるのはこんな感じ。
大人におすすめのGraded Readers のジャンルは?
まずは絵本から?…は正直ツラい場合
多読の王道としては、大人であっても初めての場合はビジュアル優先の絵本から初めて…と推奨されているようなののですが、正直大人に絵本はツラかったりします。でも諦める必要はありません!
大人の方で、それなりに短めの英文なら読めるけど洋書になると続かない、といった方の場合、まずは中高生向けくらいからを狙いましょう。これくらいなら、語彙が一定制限されつつも、大人も知識として楽しめるものや、ストーリーの展開が楽しめるものもたくさんあるからです。
もし選んだ本が簡単だったら、どんどん進んで次の本は難易度を上げれば良いのです。ここが精読との大きな違い!
知識がつく伝記ものや展開の気になる推理もの、YA系など
私の場合は、伝記ものや犯罪推理ものからスタートしました。オバマ元大統領の伝記や、映画のノベライズなど、比較的大人でも楽しんで読めるものもありますので、ぜひ探してみましょう。
オックスフォード出版社は、「シャーロック・ホームズ」のGraded readers版も出しています。ノベライズでは「プラダを着た悪魔」なんかも読みました。懐かしい!いわゆる古典モノのGraded readersなんかは、リーディングの練習だけじゃなく原典読んだフリもできて便利(笑)。
いよいよ大人向け洋書にチャレンジする前に
Graded readersでだいぶ慣れてスピードも上がってきたな、というところで、英語圏の読者向けのヤングアダルトものを何冊か読みました。こちらは英語を母語とする青少年向けに書かれたものですが、比較的語彙が平易です。題材もティーンの恋愛ものや家族関係など、比較的身近なことが多いです。
定番どころはこんな感じかな?どれも読んだものです。…懐かしい~!!
いざ洋書!でも本選びは慎重に
その次はいよいよ通常の洋書にステップアップ。ただし、洋書と一口に言っても、思っている以上にジャンルや作者によって使われている表現や単語など難易度が違うものです。
経験から言うと「自己啓発系」には案外読みやすいものが見つかりやすいです。ただあんまり高邁なものは避けましょう。また、名著とされるビジネス書等は語彙も表現も難易度高めだったり、今読むとちょっと内容が古く感じられ退屈だったりするものも。
←読みやすい系から一冊。ちなみに根強いファンの多い『七つの習慣』なんかの「古典モノ」は、ぶっちゃけとっつきにくいので洋書未経験のひとがいきなりチャレンジはお勧めしません!
いずれにしろ無理せず、自分が「流れに乗って」読めるものからで地慣らしをしてからいきましょう。
Kindleのサンプルダウンロード機能は大活躍
洋書を購入される場合、断然ペーパーバックよりKindle版をお勧めします。なぜならば 、サンプルをダウンロードして、ある程度中身を読むことができるからです。
ペーパーバックを捨てよ、Kindleを買おう−洋書読書で挫折したあなたへ
本による読みやすさ・読みにくさの差はあなどれないので、ぜひKindle版でサンプルを読んでみて、自分が読めそうなレベルかどうか判断しましょう。
買ってしまって難しすぎて投げ出した、というのは精神的にもよろしくなく、長期的には洋書リーディング自体がおっくうになってしまう可能性も。サンプル機能でこうしたミスマッチも未然に防ぐことができます。
順番を間違えなければ、洋書読書のハードルは下げられる
洋書読書を趣味にしてしまおう
洋書を読むのを生活の一部にすれば、自然と英語力もついてきます。私の場合は、お風呂の中での Kindle読書(Kindle Paperwhiteなら防水機能付き!)、または寝る前の読書が生活の一部となっています。
洋書読書挫折の原因は、洋書リーディングの「流れ」を身に着ける前に、いきなり難しめのものにチャレンジしてしまっていることが多いと思います。私の場合も、多読を実践する前に何冊かペーペーバックに挑戦しては挫折していましたが、これは今思えば原因は確実にこれでした。
短めの英文は読めるし理解もできるんだけど、洋書を読むのはちょっとハードルが高い、挫折してしまって読み通せていない、という方は、ぜひ、まずは多読から始めてみてください。遠回りのようでも、長期的な読解力の「基礎体力」がつくのを実感できると思います!