もくじ
国連英検を初受験してきました
英検1級合格後、手を出すか出すまいかしばらく迷っていたのですが、一度体験しておこう、ということで、3月ごろに申込&テキストと問題集を購入。満足いく勉強時間も取れなかったのですが、何事も初めは経験ということで、敵前逃亡せず完走してきたことを自画自賛しつつ、記録代わりに報告しておきます。 今回は雰囲気のご報告ということで。受験を迷われている方の参考になれば幸いです。どんな人が受験している?
今回ダブル受験でしたが、A級は中高年、特A級は20~30代?若手が多い、というちょっと意外な分布でした。逆かと思ってました…。B、C、D級の会場は回が違ったのでわかりませんが、やはり実用英検と比較して受験者数も少なく、小さな会議室でゆったり着席していました。そういう意味では結構な密で受験者の圧が高い実用英検と比較すると落ち着いて受験できました。 ちなみに、特A級(SA級)の合格者には外務省が国連機関への若手派遣を行う「JPO派遣候補者選考試験」での加点が行われるそうですので、若者の受験者の皆さんはこれを目指されている方々だったかもしれません。超カッコイイ…そんな制度があったんですね。ぜひたくさんの方に挑戦してほしいと思います。どんな問題が出る?
A級、特A級に共通して、ざっくりと ―国連や国際問題に関する知識を問う問題(10問) ―文法の正誤や文意、文章全体の構成の理解などを問う問題(文章の素材は国際情勢関連が中心)(70問) ―エッセイライティング(国連の役割などについて論じるショートエッセイ) な感じです。(1問) 時間は全部で120分。ちなみに、マークシートは100問印刷されていて、初め「え、100問もあったっけ」と絶望的な気持ちになりましたが、A級、特A級とも実際に使ったのは80問まででした。ちなみにA級、特A級は他の級にはあるリスニング問題がないので、リスニング問題用の枠なのかもしれません。120分で時間は足りる?
時間配分としては、私はエッセイ以外の「80問」を90分で済ませて、最後のエッセイに30分を当てました。なんとなく他の受験者の方もそのパターンの方が多いようで、残り30分になってからカリカリカリ…とシャーペンを走らせる音が聞こえていました。 私は今回、事前に120分ぶっ通しで時間を計って過去問を解く実践練習ができておらず、ちまちまと一日1問過去問を解く形で勉強していたので、「本番で時間が足りない」という状態を一番心配していましたが、そこは火事場の馬鹿力で一通り解ききる&書ききることはできました(正解しているかはまた別の問題)。 ただし、かなりいっぱいいっぱいです。これから受験される予定の方がいたら、絶対に120分勝負の練習は事前にやりましょう。問題がハードなので120分ぶっ続けでやる気力が最大の難関になると思うので、家族とか友達に宣言したりして、なんとか自分を追い込みましょう。どんな対策が必要?
まだ合格してないやつが余計なことは言えないので(後日追記→まさかの合格してました)、今回はとりあえず一番の基本の対策だけをお伝えしておきます。「これは皆やってるだろう」という最低限のものだけです。テキストの購入 新わかりやすい国連の活動と世界
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過去問集の購入
実用英検との最大の違いは、その問題の素材(英文)でもありますが、情報の少なさ。国連英検に市販の対策本や問題集はなく、公益財団法人日本国際連合協会が出している公式の過去問題集のみで、皆こちらを購入することになります。問題集には過去3回分が収録されています。協会から購入すると、直近の問題冊子が一回分オマケで付いてきました。傾向を見るにはまずは1冊で充分だと思います。リンク
揃える物はまずは以上です。
基本中の基本ーテキストを読み込む+並行して過去問を解く!
対策としては、テキストを読みつつ過去問を解く、のが基本セットです。 テキストと言っても、文法の解説や例題などは一切なく、国連の沿革や組織、主な問題などが淡々と紹介されているだけですので、「問題でどういう問われ方をするか」は過去問を解いてみないことにはわかりません。 「国連知識問題」の比率はそこまで高くありませんが、おそろかにするとエッセイライティングで「何も書けなく」なりますので、テキストの読み込みも欠かせません。 ちなみに私は今回特A級用の対策だけして、A級対策(過去問)はちょっと迷いつつ全然できませんでした。ただ印象としては、別々の対策は必要なかったかなと思います。なぜかというと、A級で使われる素材の英文が特A級より簡単か、というとそうでもなく、同じような素材を扱いつつ出題の選択肢が特A級よりはちょっとわかりやすくなっている程度、だと感じたからです。どちらを受けるべきか、もしくはダブル受験と迷われている方の参考になれば幸いです。時事問題の比重大ー今回のトピックはウクライナ情勢一色
時事問題ということで、今回はA級、特A級とも出題文にウクライナ情勢を題材とするものが頻出でました。ウクライナ情勢についてはさんざんニュースでも取り上げられていますので、ある意味文脈としてはわかりやすかったと思います。実用英検一級との違いは?
「国連に関する知識」が問われること
受験前は「マニアックすぎるかなあ」と若干恐る恐るだったのですが、感想としてはチャレンジしてみてよかったです。国連の働きに関する知識は全く持って勉強不足でしたが、ここの知識を問う4択問題は80問中10問だけ。なんとかならない気がしないことも…ないですね。ちなみに、これも英検1級の冒頭の鬼の語彙問題同様、出題冒頭にぶつけて来ます。これは個人的に出題者による「冒頭にキツイ問題を出して受験者の心を折りに来る戦法」ではないかと踏んでいます。ここで戦意喪失せず、たとえ血みどろでも次の戦場(大問)へ赴きましょう。諦めなかったものにしか光は差しません。「素材が時事問題・国際情勢に全振り」
もうひとつが、上でも少し触れたように、出てくる素材が時事問題に全振りしてること。英検については、歴史だったり社会だったり文化だったりビジネスシーンだったり割と幅広く出題されますが、国連英検に関してはそういったものは一切ありません。たとえ「次の文章中4つ下線部のうちから文法の誤りを見つけなさい」という文法問題の出題形式であっても、出てくる文章は国連や国際情勢に絡むものばかりです。 これについては「国連英検独特の英文法」が存在するわけではないので、正しく文法を理解していればいいのですが、限られた時間のなかでハードな文章をガンガン読んでいかないといけないので、難しめの語彙が出てくる文章をスピードを上げて読む練習は必要だと思います。 国際情勢に関しては、普段からスマートスピーカーで自動的にBBCのWorld Serviceを流すようにはしているのと、リーディングの表現についてもKindleで洋書(ノンフィクション多め)を読むのは習慣なので、「お手上げ」というほどの印象ではありませんでした(もちろん読解はちらほら知らない表現には遭遇しました!)。日々の英語漬けからそう大きくやり方を変えなくても通用しそうな気がするので、長期的に合格を目指してみてもいいかな、と思いました。いや、そんなもったいぶったこと書いてないで今回さくっと受かればいいんですが、もし一次突破したとしても面接クリアできる気が全然しないんですよね(涙)。(→後日追記: 合格してました…) ということで、国連英検受験を迷われている方の参考になれば幸いです!面接準備編・当日編・結果編はこちら
二次試験(面接)直前準備編
国連英検面接(A級、特A級併願)を受けてきました(直前準備編)二次試験(面接)当日編
国連英検面接(A級、特A級併願)を受けてきました(当日編)結果編
国連英検A級&特A級併願受験でまさかの一発合格!対策は何をした?リンク
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