英語(特に教材関係)のお仕事をいただけるようになってから思うのは、英語教材の品質を維持するのって割と難しいのだなあ、ということ。
具体的に例を上げていきます。
もくじ
英語だというだけでミスに気づかれにくくなるポイント
特に今は校正のお仕事が多いからかもしれませんが、制作者の方が各所に発注された元データをチェックして整合性をもたせ、かつ学習者の方にとってわかりやすくレベルにあったものにする…、というのは結構大変。
文法的にはおかしくなく見えても「ナチュラルじゃない」表現はかなり相当英語慣れしてないと気付けない
チェックにおいては、文法的に正しいことはもちろんですが、「そんな表現あまりしないんじゃない?」と違和感を感じるものはチェックして、なるべくよく使われる代替案をご提案します。また、訳が意訳すぎたら学習者は自分で文の構造が掴めないので修正ます。
帰国子女やバイリンガルで英語力が高いなどの場合だと、国内学習者にとっての難易度が計れない
さらに「この表現や単語はこのレベルの学習者は知らないだろう」というチェックも必要です。海外では「子供だって使う」表現だって、日本国内で学習していく単語や表現では馴染みがないものだって、たくさんあるからです。
このへんは、ネイティブならできるというわけでもないし、国内での英語学習でやたら時間をかけてきた自分みたいな人間だからこその感覚なのかも、と思います。日本の国内で英語を学んでいく学習者と、英語圏で英語を学ぶ学習者とは、当然普段触れている英語の量も内容も違ってくると思うので。
こうしていろんなポイントを考えていくと、自分が学生のときに感じた「え?なんでこの訳になるの?」「ん?こっちの解答でもよくない?」といった違和感は、もしかしてあながち自分の英語力不足から来ていたわけではないかも…なんて思ったりもしています。教材制作者がチェックしきれていなかった可能性もあるんじゃない?と。(全部そうとは言わないけど、可能性は、ね。)
いろんな人の手を経て形になるものの場合、関わる人が全員英語に長けているわけではない
紙媒体になると特に、いろんな人の手を経て形になるので、デザイナーさんが必ずしも英語に長けているわけではない(というか通常はそれが期待される職種ではない)ので、「え、なんでこんなミスが」というのを発見することもしばしばです。
そして地道な校正の日々は続く
なので、なるべくそんなことがないよう、今日もチェック&修正の日々です。学ぶみなさんが英語嫌いにならないように、ちょっとでも英語を学ぶのが面白い、と思ってもらえるように。