もくじ
Dataはdatumの「複数形」である
皆さん「データ」と言う言葉はよく使われると思います。日本語でも一般化しています。これはもともとは語源としてはラテン語でして、かつ
datum=単数系
data=複数形
なのです。
なので、
”That data shows ….”とか、”The data is …”
というのは、文法上間違いだ!
ということになるわけです。
「そんなの知ってる」、と思われたあなた。さすがです。
が、実はそれ、知識として古いかもしれません。
言葉は時代とともに変化する
BBCラジオのmore or lessと言う番組の中では、毎回いろいろな数字に関する情報を扱っているのですが、今回の”dataは単数か複数か問題“が取り上げられていました。
ネイティブの番組の中で議論になるぐらいですから、つまりネイティブの中でも意見が分かれているのです。具体的に槍玉にあげられたのはリシ・スナク英首相で、スピーチの中で”The data is ….”とやっているところを突っ込まれていました。
しかし、これに対し、「ファイナンシャルタイムズ」紙のライター向け統一ルールにおいて、「dataは単数扱いで表記する」とされたことが紹介されます。この時、同番組のプレゼンターかつ同紙の記事執筆者でもあると言うTim氏が、担当者をインタビューし、「君は一体何を考えているんだい?」と嘆き口調で問いかけていたのが可笑しかったです。伝統あるBBCらしく、リスナーからのお便りも含め「DATAは複数形!」派が優勢の様子でした(笑)。
現在ではdataの単数扱いが圧倒的多数派
そしてこの番組、あまりの反響の大きさに続編が作られていました。続編では、大学の専門の研究者を呼んできて、実際にネットや学術論文上で、どれぐらいの割合で両者が使われているのかと言うところも取り上げていました。
これによると、単数形としての用例が約8割、複数形としての用例が約2割と、すでに大多数が単数形として扱われていると言うことでした。つまり、ファイナンシャルタイムズ紙のルールは、現在の主流派の用例に則したものと言うことができます。
古いものが正しいのか、多いものが正しいのか?言葉についてはそういう単純な話ではありませんね。きちんとした文を書きたいのであれば、どちらに準拠するべきかは媒体ごとに確認したほうがよさそうです。
と言うことで、テストで出てきたときに単数形な複数形かどちらで書くか、と言うのは非常に悩ましそうです。実際もう単数形扱いでも間違いではない、と言えそうですが、微妙に詳しい先生だと「Dataは複数形です!」とか言われそうです。もし、学生の方なら、「先日BBCでこういう議論がされてたんですけど…」とかいって議論をふっかけてみてもいいかもしれませんねw(でもちゃんと根拠は自分で英語の資料から調べてね&内申点が下がっても責任は取りませんのであしからず!w)